第4章 再会の時間
「俺に当たらないようでは、マッハ20の奴に当たる確率の低さがわかるだろう」
私はゴム製のナイフを握った。確かに今のままじゃ余裕で地球は吹っ飛ぶ。でも……
私はみんなみたいに殺したいなんて意欲は持ち合わせていない
「見ろ、いまの攻防の間に奴は…
砂場に大阪城を造った上着替えて茶まで立てている」
烏丸先生が指さした先には千利休のような格好でにやにやしながらこちらを観察している。さっきのショックはどうしたの
(腹立つわぁ…)
「クラス全員が俺に当てられる位になれば少なくとも暗殺の成功率は格段に上がるナイフや狙撃、暗殺に必要な基礎の数々。体育の時間で俺から教えさせてもらう!」
『…』
丁度終業のベルが鳴ってしまった
『はあああ…』
「どうしたの早稲田さん?疲れてる?」
『茅野さん、いえ…荷が重くて…』
「あ、次小テストだもんね!めんどくさいよねー」
『…(本当の意味なんて知る必要なんてないか)
その前に授業が始まるまでに早く着替えなくてはですね』
「そうだね、早く更衣室いこ!」
そう言って茅野さんが校舎へ駆け上がろうとした時だった
「……」
『どうかしました?』
「誰…あの人」
『…!』
着崩れしたワイシャツに黒いカーディガン手に持つイチゴオレは赤髪の彼のお気に入りだった
「…カルマ君…帰って来たんだ」
渚さんがそう呟いたのを私は聞き逃さなかった
「よー渚くん、ひつじちゃん。久しぶり」