第21章 雛から小鳥へ、本丸を継ぐ
お父さんは深いため息をして、勝手にしろと笑った。
「ほんとに、誰に似たんだか。」
お父さんが続けると山鳥毛もうぅむと首を捻る。
「雛鳥と小鳥を見てきた私が言うのもなんだが…
雛鳥はどうやら、小鳥に似ているみたいだな。」
お父さんをからかうようにクスリと笑った。
その笑顔はかっこよくて、やっぱり大好きな人だなと実感する。
山鳥毛は覚えているか分からないけど、私は思い出したんだよ。
不安で仕方ないある日のお泊まり
その背中の安心感と体温を体が覚えている。
「…もしも、パパやママがいなくなっても山鳥毛たちは居なくならないよね?」
「……なぜそれを私に聞くんだい?
小鳥も母もいなくならないだろう?」
「パパもここのお仕事ともうひとつのお仕事で危ないことがあるかもしれないって。
パパもママも大丈夫って言ってるけど…。」
「……そうか。小鳥も雛鳥も私が守ろう。
私がいなくなっては2人を守れないからな…
いなくならないよ。」
山鳥毛がいなくならないように、今度は私がしっかり守ってもらえるように動くんだ。
彼から離れないように。