第21章 雛から小鳥へ、本丸を継ぐ
彼のペースに巻き込まれて丸め込まれてはいけない。
「だがなぁ…俺は……。認めたくねぇんだよ。」
「人の大切な思い出消しといてまだ言うか。
愚鈍父親め。」
「な!?」
「雛鳥…小鳥はもう反省しているから。」
「山鳥毛…キミ…共犯者、ワタシ、そこ、まだ、許してない。」
山鳥毛自身がそれに加担してたこともご丁寧に自白してくれたこともあって、私は2人を責めてもいいと思っている。
「……。」
山鳥毛は黙ってしゅんとなってしまった。
こんな顔をするんだ…。
なんか、意外な一面が見れて可愛い気もする。
真面目な顔をしていたのに、大の大人が2人も揃ってしゅんとしているのを見てるとそれがおかしくて私は吹き出した。
「冗談だよ。もう許してるって。
審神者になることは考えているけどいいでしょ?」
お父さんはやれやれとため息を吐いた。
「どうしても、審神者になるのか?
同行任務もあるし、命を落とすかもしれないんだぞ?」
「分かってる。」
分かっているからこそ私は決めていた。
彼らは命懸けで私を守るだろう。
その身を盾にしても。だから私は彼らにそんなことさせないように立ち回るしかない。
誰も傷つけず破壊されないようにするにはまず、自分の身をしっかり持つこと。
それが私が審神者を継いだらと考えたこと。
考えたと言うより決心したこと。
私の知らないところで大切な人が消えていくのを見たくなかった。