第15章 再び相見える
国家試験も終わって、卒業論文の提出をしていたらアルバイトの時間30分遅刻してしまった。
1時間前に電話で遅れることを伝えたら、店主は事故に気をつけて来るんだよと優しく言ってくれたから私は何とか早く来ようと急いだ。
店主に挨拶して、着替えて早速品物を運ぶ。
「これ、あの座敷の奥の人ね。」
「はい。」
座敷の奥に1人にいる男性に驚いた。
サングラスに、首元にタトゥが入ってる。
えっと…なんか、職業聞いちゃいけない人?かな?
でも、お客さんはお客さんだしといつものようにあんみつを運んだ。
「お待たせしました。あんみつと抹茶ですね。」
「あぁ、すま…」
お客さんは私を見て驚いた表情をする。
そして、じっと私を見つめてきた。
なに…?
なんか怖いんだけど…サングラスの下の目が見えないから尚更怖い。
「あの…私の顔になにかついてます?」
私は不思議に思って声をかけてしまった。
お客さんが言うには昔の知り合いに私が似ていたらしい。
私の知り合いにこんな怖い人はお父さんの仕事相手くらいだと心で小突いた。
「えと、ごゆっくりどうぞ…」
一礼をしてから私はまた厨房へ戻っていく。
世の中色々な人がいるなぁ…と思いながら…。