第15章 再び相見える
程なくして、あのお客さんはすぐに常連になっていた。
大体週に3回くらい。
持ち帰りをする日もあれば食べていく日もある。
持ち帰りする時はそこそこの量を買っていかれるので1ヶ月程でお得意さんとなっていた。
あと、そのお客さんは時々私のことを「雛鳥」という不思議な呼び方をした。
「今日もいらしたんですね。今日は食べていくんですか?」
「そうだね。それと、この羊羹を10個ほどいただきたい。」
「持ち帰りですか?でしたら、帰りまでにこちらで冷やしておきますね。」
「それはありがたいな。では帰る時にでも声をかけさせてもらうよ。」
見た目こそ怖い人だと思っていたけど、お家にいるちびっ子や友人のために買って帰るような優しい人だった。
とても気さくな人だった。