第24章 その先に待っているもの
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今朝のボウヤからの助言により、ここに戻って早々に沖矢昴にならざるおえなかった。
本当はこのまま直ぐにでも行きたい所だったが、記憶を無くしたあいつの前に突然サングラスと帽子を被った俺が現れた所で混乱させるだけだ。
数日ぶりに、いや、差程経ってはいないがあの休息を過ごした後では
この変装道具を見ると億劫になるな。
みなみは恐らく今も安室君と居る事だろう。
そこからどう引き剥がすか。
記憶が無いまま一番最初に出会ったのが安室君となると少々厄介でもある。
あの状態ならみなみにとって今一番頼れる存在になるのは安室君という事になる。
まさにこれは誤算でもある。
ボウヤに知らされ、改めて状況の悪さを実感した
恐らく今でも安室君は一筋縄ではいかんだろう。
そしてみなみを見つけたとして、どんなに分かっていたとしても
みなみからしたら俺はただの見知らぬ男になる。
もしこのままみなみの心が安室君に向いたら…
みなみは戻ってくる事はあるのだろうか。
そして俺を思い出す時は来るのだろうか。
まだ会ってもいないのに悪い予感が脳内を蝕んでいく中、気付けばまた沖矢昴は出来上がっていた。
変声期を確認していると傍に置いてある携帯が光だした
キャメルか。
「どうした、キャメル」
「赤井さん、みなみさんの様な女性を見かけました!」
「そうか。出来したな、キャメル」
「いえ…丁度先程ジョディさんを降ろした帰り道だったので、これはジョディさんのお陰かもしれませんが…」
「ホー。ならばキャメル、お前ももう休んで良い。みなみの場所だけを教えてくれるか」
「いえ!米花デパート前の交差点です。反対方向に曲がってしまったのでこのまま追います!」
「いや、キャメル、待て」
名前を呼ぶ頃には通話を切られていた。
記憶の無いあいつからすれば、突然見知らぬ男に跡を付けられるのは到底いいものでは無い。