第24章 その先に待っているもの
見慣れない街並みを見渡しながら歩いていくと、安室さんの居る場所は公園から差程遠くない事が分かった。
「ほら、あそこだよ」
真純ちゃんが指を指した先には、毛利探偵事務所という縦看板の主張が強めな小さめのビルだった。
更に近付いていくと、探偵事務所の下の階に安室さんのいるポアロが見えてきた。
『へー、ここだったんだね』
「うん、もう少し近付いてみたいだろ?」
『えっ?いや、でも』
「大丈夫だって」
そう言ってウインクをしながら微笑む真純ちゃんに釣られて、何だかこっちまで少し可笑しくなってしまった。
「よーし、少しだけ屈んで行くぞー」
隙を見てポアロの入口の前を走って通った後、花壇に植えられた緑花の前を屈みながら通り抜ける。
「あ、ほらほら、居たよ 安室透」
探偵事務所の階段入口の前に身を潜めながら、真純ちゃんに言われるままに
そっと顔を出してポアロを覗いた。
そこには笑顔で接客をしている安室さんの姿が。
大袈裟だけど、凄くその笑顔が輝いて見えた。
あの雰囲気からはさっきの通話での言葉や口調、声のトーンなど
とても想像はできなかった。
こうして見る安室さんは確かに良い意味でごく普通の人なのに。
見れば見る程さっきの出来事が引っかかってしまう
「どうだ?」
『うん 確かに、ちゃんとしてるね』
「まあ、ボクにはあの笑顔がどこか嘘くさく感じるんだよなあ」
『確かに…』
「確かに?!みなみさんもそう思うのか?!」
つい心の声が漏れてしまった。
さっきの事や安室さんに対する疑問があるから、こうやって思うけど…
真純ちゃんは何を思ってそんなに要注意だと思っているのだろう