第23章 追憶の果て
今ふつふつと湧き上がるこの煩悩はアルコールのせいにしたい。
そう思いたいのに煙草の混じった赤井さんの匂いが嗅覚を擽ってくる
『んー』
赤井さんの肩に顔を埋める今のこの状態は素面の自分が見たら少し絶句しそうだった。
「どうした、みなみ」
分かっているのか、喉で笑いながら態とらしくそうやって言ってくる赤井さんに今度は自分が意地悪をしたくなった。
顔を上げて、カーテンをシャッと閉めて平然を装う。
『いえ、何でも無いです』
『さ、次は何飲もうかな〜』
少しでも酔いを覚まそうと席を立とうとすると腕を掴まれた。
「みなみ、そう焦るな。時間ならまだあるだろう?」
『そう、ですけど...』
そのまま腕を引かれて、落ちるように赤井さんの膝の上に乗せられた
「ほら、こっちを向け」
腰に腕を巻かれたまま、赤井さんと対面状態になる。
上から眺める赤井さんもかっこよくて頬に熱が篭っていくのがよく分かる。
全て気付かれた上での今のこの状況だと思うと、同時に羞恥にも駆られて顔を逸らしてしまった。
「みなみ、こっちを見ろ」
腰を抑えている手と、もう片方の手が頬と顎に伸びてきて
顔の位置を正面に戻された。
時々視線を逸らしながらも赤井さんの顔を見ていると、頬に添えられていた手が顎まで滑り落ちて、親指で唇から顎をなぞられる。
そのままゆっくりと顔が近付いていって、唇が重なる。
一度離れて、視線が合えば再度重なって更に深く湿ったキスに変わっていく
後頭部を抑えるように手を添えられたまま、くるりと体勢が変えられて組み敷かれる。
片方の手は指を絡め合わせながら繋がっていて
ガウンの紐を一瞬で解いたもう片方の手がガウンの下に入ってくる。