【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第10章 【ハイキュー】【自作】クロい野良猫【R指定】
黒尾の背後から、部屋から出てきたカップルが見えた。
思わず顔を背けたけど、彼らは訝しげに仁美達を見ながら、横を通り過ぎる。
今騒ぐのが1番効率が良かったのかもしれない。
だけど仁美はそれが出来なかった。
あれほど強く黒尾には言ったのに、実際に大事にする事に躊躇いがあった。
黒尾がどんなにバレーに時間を使っていたか、知っていたからだ。
本当は自分の事で、黒尾がバレーを出来なくなる事態を望んでなんかいない。
黒尾も何も言わずに仁美を見下ろしている。
「……話だけでも聞いてくれる?」
「………………。」
黒尾が小さな声で、伺う様に言ってきた。
仁美はやっぱり目を伏せたままだけど、再び伸びてきた黒尾の手は払わなかった。
ドアはカードキーで簡単に開いた。
中に入るのを戸惑うより先に、黒尾が仁美の体を引き寄せた。
ドアが閉まる頃には、仁美は黒尾の腕の中に居た。