第5章 流星群が誘う旅
杏寿郎と蜜璃と三人で縁側に腰掛けて、お茶とすぃーとぽてとで休憩をしていると、槇寿郎の鎹鴉が上空からふわりと舞い降りて来た。
「伝令、伝令ィ!炎柱!柱合会議ニ至急ムカエェ!! 」
縁側を羽ばたきながら叫んでいる。黒く艶やかな鴉だ。
蜜璃と千寿郎は顔を見合わせて、杏寿郎はすぐに立ち上がる。
「父上に知らせて来る。二人はゆっくりしていてくれ」
急ぎ父の部屋へと向かう杏寿郎の背中を見ていた蜜璃が呟いた。
「煉獄さん…大丈夫かしら…炎柱様は、今日も寝ていらっしゃるの? 」
千寿郎も、兄の消えていった廊下を心配そうに眺めている。
「はい。父上は部屋に篭って、酒を買いに行く時は外に出るのですが…。任務にも酔って出て行く事もあります」
聞いていた蜜璃は驚いた顔をした。
「炎柱様がそんな…仕事を放り出すような方じゃないのに…。千寿郎君も辛いわね。そんなお父様を見ている師範も、二人とも。悲しいわ…」
蜜璃にもどうしたら良いか分からない。お世話になったこの家の為に力になりたいのに…。
暫く二人で待っていると、杏寿郎が戻って来た。
「兄上! 」
「煉獄さん! 」
二人が心配しないように、杏寿郎は普段通りの明るい顔を見せた。
「父上が行かないから、代わりに俺が柱合会議に出る事にした。お館様に会って話をさせて頂こうと思う。では、行って来る!! 」
「はいっ!煉獄さん、お気をつけて! 」
「兄上、行ってらっしゃいませ! 」
「うむっ! 」
と遠くの方から兄の声が聞こえた。二人が声を掛けた時にはもう既に、杏寿郎の姿は見えなくなっていた。
「さすがだわ…煉獄さんの動きは素早くて素敵! 」
蜜璃は、杏寿郎が初めての柱合会議に出る事になって、上手く事が運ぶよう願いながら、師範の俊敏さと判断の早さ、素敵さにキュンキュンしていた。