第7章 ※ 鬱金香のピンクは愛の芽生え
「これからどうする? 」
不死川の胸に抱かれている。二人だけの時間を過ごし、ベッドの中でいちゃついた後、不死川が尋ねた。
ひなたの身体を抱き腕枕をして、長い髪を撫でている。
この甘い時を、終わらせたくないのは二人とも同じだった。
「…すぐに…。すぐに帰らなきゃいけないの… 」
髪を撫でる優しい手が暖かかった。本当なら、明日も、明後日も、こうして側にいられるのに…。
「不死川さん、ごめん…」
もう、過去に戻る必要はないかもしれない。煉獄さんがいた時代はとうに過ぎ去った時代なのだ。終わった事を、掘り返す必要があるのか…。
ひなたはまだ隊士でもない。そんな自分に何ができるの?
何度も繰り返した思いがまた産声をあげ、ひなたをここに留めようとする。
「やりかけた事があるから、戻ってやり遂げるんだろォ? 」
顔を上げると、不死川さんと目が合った。
不死川は、ひなたの頭をよしよし、とするように撫でてくれる。まるで、学校で小さな子供達に優しく接している時みたいだ。
「お前、凄く変わった。前は可愛くて何にもできないとこが良いと思ってたんだ。俺がいないと駄目だって気にさせるからなァ。けど、久しぶりに会って、すげェ頑張ってる感じがしたんだ。向こうで、大切な事を見つけたんだろ? 」
「うん」
「だろうなァ」
「でも、まだ私駄目なの。煉獄さんを助けられるほど強くなれてなくて…」
優しく聞いてくれる不死川さんの前で、泣いてしまいそうだ。
不死川は綺麗な、はっきりした目でひなたを見つめる。一見怖そうな鋭い眼差しだが、不死川を知るとその優しさに惹かれてしまう独特の瞳だ。
「やれるだけやってみろよ。駄目でもともとだろォ」
不死川の言葉で気持ちが軽くなる。
「また、俺のとこに戻って来い」
不死川はひなたの身体を自分に引き寄せ抱きしめた。
「うん。分かってる。不死川さん大好き」
ひなたは不死川さんの肩に手を伸ばして口付けした。ひなたが自分からキスをして来たことに、不死川の顔に笑みが浮かぶ。
「俺もひなたを愛してる」
ひなたの身体をぎゅうっと抱き、お尻の方まで撫でた。
ひなたも不死川の大きな身体に手を回して抱きしめる。