第6章 ※ 再びあなたに逢えたなら
「鬼殺隊祭の数日後、ここを訪ねたら、お館様とあまね様が深妙な顔をされていた。君に会いに来た俺に、寂しそうに、君は帰ってしまったと言われた。では、どこですかと聞いたら、お館様が不思議な事を言われたんだよ。生きていれば、また会えるかも知れないと」
杏寿郎は続ける。
「君はあまね様のご親戚と聞いたが、産屋敷と名乗っていた。父の縁者を使い、あまね様のご実家である神籬家にいる君くらいの年齢の女の子を探したが、君はいなかった」
「そう、だったの…」
杏寿郎は静かに頷いた。ひなたに会う為、杏寿郎ができる限りの手を尽くしてくれていた事を知った。
「お館様とあまね様の態度と、意味深なお館様の言葉、そして君の雰囲気。いくつか、君が本当は誰なのかを推察する材料はあった。俺は結論として、君は産屋敷家の直系の血族だと思った。だが、お館様とあまね様のご息女はあの五人だけだ。君は未来からやって来たというのが一番、考えうる中で真実に近いのだと」
「当たっているようだな」
ひなたの開いた口を見て、杏寿郎は微笑した。
会えなくなって、何度も考えたのだ。また会えると思っていたのに、何か別の理由があるのだと、ずっと考えた。
「そう…だよ」
ひなたは泣いていた。急に会えなくなったのに、何一つ、杏寿郎に話していなかったのに、煉獄さんは、ほんの少しの残された事柄から、真実を見抜いていた。
それだけ、ひなたの事を考えてくれたという事だし、煉獄さんの確かな分析力を垣間見た気がした。
…きっと、凄く明晰な頭脳を持っているのだろう。
「どうして、君はまた戻って来た? 」
真っ直ぐに見つめられ、ひなたは喉が詰まる。
「私、私…」
何を言えば良いのだろう。真実を導き出すほど賢い人相手に。
「私、煉獄さんの継子になる為に戻ったの」
口から出た言葉が、それだった。