第5章 流星群が誘う旅
光の渦の中に包まれて、ひなたの身体は煌きの中に溶けていった。でも、優しく包まれている感覚は確かにあって、光の粒は宝石のカケラのように輝きながらひなたに優しく触れ、怖いと言うよりは、むしろ断然心地良かった。
眠っているのとは違う安らぎの中にいて、後から思えば、あの時の流星群はひなたを『あの時代』へと運んでくれていたようだ。
光の渦に溶けて運ばれた身体は、時空を超えてある場所へとひなたを届けた。
ピクリ。指先に冷たいものが触れる感触がある。
「ん…んん…」粒感がある。力の入らない指先の弱い力で握った。触った事のある物だ。冷たく固く、指の先程の石のような…。
玉砂利だ!
ザクッと握り締めた手をゆっくり動かした。見ると確かに玉砂利だった。どうやらおじいちゃんの庭に寝ているようだった。
全て幻だったのだろうか…。
白梅の流星群を見て、その後起こった事は、ひなたの見た夢だったのかと思った。
横たわり見える景色は、いつも見ている輝利哉の屋敷の庭と変わらなかったから。
腕の力で身体を支えながら起き上がろうとすると、頭の上辺りから子供の声がした。
「目が覚めたみたい」
「目を開けているわ。良かった」
よく似た声は二人いるようだった。
ひなたは身体をムクリと起こしてみた。とても重たい…。まだ力が入りずらい。
「え…? 」
ひなたの頭上で話をしていたのは、全く同じ髪型、顔をした女の子だった。
一つの人形が分裂したかのように、全く同じ顔をしていた。
おかっぱの頭は綺麗に切り揃えられ、白く輝く絹糸のような髪がさらさらと靡いている。どこかで見覚えのある顔立ちだ。ひなたは目を凝らして女の子達の顔をただ、見つめてしまった。