第5章 拠り所
人間扱いと言えば……生活も変わった。管の生活とは違い食事をし運動が増え、必ず汚れてしまう身体を毎日清潔にしなければならない。身体を打つシャワーの水滴を感じながら、やはり温度は分からないな……とうつむく。
「024?」
「あっ……、なあにティナ?」
「ぼーっとしてたから……ぐあいわるい?だいじょうぶ?」
「大丈夫、ありがとうね」
そういえばティナは歳のわりに幼い……といっても、本当の歳を知らないのでどれ程かは分からないけど。確か資料室には物語のような読書できる本もあった筈、明日は勉強の真似事をするのも悪くないかもしれない。いつまた死ぬかも分からない私と違ってティナはこれからも生きていく。学もいるだろう。
シャワーを済ませ、湯冷めしないように手早くティナの髪から水気を拭ってやる。部屋の鍵は私に預けられていて今のところティナは監禁されていない。あの時は精神が不安定になっていた為の一時的な対応で今までも何度かあったようだった。今はティナも落ち着いていて私が保護者代わりだ。
「ねえ、ティナって今いくつなの?」
「いくつ……?」
「歳だよ、うーんと……7歳くらい?」
「わかんない……024は?」