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魔導人形

第3章 訓練


ケフカ様はあれから厚い本を無造作に読み漁っては、放る。読み漁っては、放る。その繰り返しだ。一つが自分のつま先の少し先に落ちた。"召還と神"……召還獣の本か。手をのばしパラパラと頁を流し見る。流れる頁の波がふいに止んだ、"封印された神々"と書かれていた。ここの頁は開き癖がついている。神……もし神がいるのなら、なぜ私なんかを生かしたのだろう……。

とりとめて生前親しかった人間もいない様子だ、今まで声をかけられた事がない。権力も持たない。私を生き返らせて神は何をさせようとしてるのか。

「…?」

読み進めると"神が封印され争いが終わる"という文章に行き当たった。下の余白に神経質な細い字で"神の封印=召還獣の封印?"と、補足とも疑問ともつかないことが綴られている。

「まだ知るには早い」

いつの間にか前に立っていたケフカ様に本を取り上げられる。隠すという事は何か重要なメモだったのだろうか?とりあげられた本が本の山の頂点へと置かれると表紙の鍵穴の装飾がカチリと音を立てた。私はケフカ様の手のひらに小さな鍵が転がったのを見た。
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