第10章 未定
「だって暇なんだよぉ、……あんまり騒ぐとバレちゃうよ?」
駄々をこねるようにそう言うと耳を噛まれ口元を覆う。後ろから続く兵士には分からないかもしれないけど、レオ将軍なんてさっきコチラを見てたのに……!
「ひ、暇ならアーマーの操縦を教えてくださいよ……!」
「一人で乗ったことあるでしょ」
「だいぶ前ですよ!?もう忘れちゃいましたって」
ケフカ様が仕方ないですねえ、とわざとらしいため息をつくとアーマーのレバーから手を放す。私の手を上から握るようにしてレバーへと導いた。正直言って魔導アーマーのことは本当によく分からない。交戦できる兵器の筈だけど移動以外のレバーは知らなかった。
「さっきから使ってたコレが移動、エネルギー管が入ってる限り常に起動している」
「確か各属性のビームが撃てるんですよね?」
「ええ、ほら」
「わッ!?」
ケフカ様が事もなげに細いレバーを軽く手前に引くとビームが放たれ、側に生えていた樹の葉がゴッソリと抉られた。これには流石にレオ将軍から非難がとび、また言い争いが始まる。
「あーはいはいはいはい、たまたま手が当たっちゃった僕ちんがぜェーんぶ悪うございましたぁ!」