第9章 瓦解
───────────────………
「024!!」
「……っ?」
「全く、お前を出すことになるなんて!!」
ビーカーが開き、管に残っていた魔力が空気中に霧散していく。膝をつくと霞がかったような頭を振った。どれくらいの時間が経ったのだろう?ケフカ様が何か怒鳴っているが上手く耳に入ってこない。
「……すみ、ません。よく……分からなくて」
「ナニ!?……仕方ないですねえ!」
頬を数回たたかれ、首から靄が抜けるようにして意識が持ち上がる。ケフカ様の手に、すっかり綺麗にあしらい直されたチョーカーが見えた。微かに笑みを作るとケフカ様が狼狽えた気がした。
「分かるか、俺が」
「ケフカ様……私、もう終わりましたか」
ケフカ様の顔が歪み、口ごもった。再び輪が首へ充てがわれ額が重たくなる。どうやら、まだらしい。しかし覚醒した時とは違い、思考はすることができる。
「ドマに侵攻する。本当は、お前だけは、連れて行きたくなかったのですが……。
…………ティナが反乱軍に落ちたのでね」
「落ち…!?死、んだんですか……?」
「操りの輪が外れ、反乱軍に逃げたのだ!クソッ!!」
私の語気に反応するようにしてケフカ様が怒声を返しビーカーを蹴り飛ばす。ビク、と肩がはね口を閉じる。