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我が先達の航海士

第3章 真の風


チュンチュン……

龍水が目を覚ますと、目の前にの顔。すやすやと腕の中で警戒心ゼロで眠るは、シンプルな白いレース付きの半袖ネグリジェに黒い絹の様な髪の毛を垂らしていた。手を伸ばし、さらさらと髪の毛を手で梳く。自分の腕の中で眠る、愛しき女性。まだ少しだけ時間があるのを確認して、ギュッとを抱き締めた。

午前3時半にはが起床、当直へ。深夜帯のゼロヨンワッチ担当の二等航海士と代わり異常が無いか確認。午前8時には三等航海士と交代、朝ご飯を食べる。
「姉さん。龍水に変な事されてない?」
「うーん」
SAIの質問には悩んだ。上半身見せられたり抱き締められたりはしたが、ラベンダーの件然り、龍水なりに気を遣っていたように思える。

「むしろ気を遣って貰った方かも。環境とか」
「えっ」
カチャンと。SAIのカレーのスプーンが皿に落ちた。
「どうした、SAI君」
「あ、っ…。姉さんには言おうと思ってて。龍水は僕に対しても、形のあるモノや他の人間の『能力面』は欲しがるんだ」
言われてみればそうだ。龍水は嫌いと言われても『はっはーー!俺は貴様が好きだ!!』と言う節がある。

「だから龍水が他人の機嫌とかどう思われるか気にするの、僕には想像出来ないかな」
「あー…まあ気持ちは分かるな」
ふとは考える。龍水はの全てが欲しい、と言った。自分は例外か?自分の好感も欲しいのか。それは思い上がりかと思いつつは仕事を始めた。
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