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我が先達の航海士

第3章 真の風


「よし、寝るぞ!!」
そのまま横抱き、お姫様抱っこされる。
「ひぇっ……!?」
中一にして既に167cmある龍水は、伸び盛り。の身長も7cm超えている。ベッドに押し込まれたに、龍水が密着する。は確かに鍛えた身体は好きだが、それを異性に求める訳では無い。恋愛に興味が無い上、免疫が無かっただけだ、と逸る気持ちを抑える。

ふと、枕からラベンダーの香りがした。
「龍水君、この香りは」
「貴様が好んで使う富良野のラベンダーオイルだ。ハンカチやガーゼ等に垂らして使うそうだな?」
「はは、本当に詳しいな」
背中に当たる筋肉の感触から匂いに気が移る。龍水の夢を必ず実現させる、欲しいモノは手に入れたい彼の熱量には誰も敵わない。だからこそ、今もこうして腕の中に収まっているのだろう。わざわざ取り寄せたのであろうラベンダーオイルの香りに包まれつつはウトウトと睡魔の中に落ちていく。

「おやすみ、龍水」
「ああ。おやすみ、」
すやり、と寝入った目の前の婚約者の髪の毛を一束掬い取ると、龍水はキスを落とした。

******
「んん。ふぁあ…」
セットしたアラーム前に起きた。だが、自分の腰に回された腕がガッツリ身体をホールドしている。
「え、もしかしてこれ、アラーム鳴るまでこのまま…?」
何とかうんしょ、うんしょっと身体を反転させると龍水の綺麗な寝顔がドアップになる。
「!?!!」
龍水は顔も整っている分、狙う良家のご令嬢も多い。故に婚約した自分の家に嫌がらせもされるのだが。まあこの顔だしな、と変には納得し、瞼を閉じた。
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