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最果ての夢【NARUTO短編集】

第4章 タイムフライヤー【うちはサスケ】


「答えろ」

「…ッ」

「それとも、ここで」


死ぬか?

次の瞬間、目の前の男の瞳が黒から紅へと変化した。瞳の中には三つの勾玉。ゴクリと唾を飲み込む。私はこの瞳を知っている。

合わせてはいけない。一瞬にして目を反らした私に目の前の男は最善の判断だな、と冷笑を浮かべた。

力づくで答えさせるつもりだろう。このまま術にかけられてしまえば、何も企んでいないことを分かってくれるだろうか。否、このまま帰してくれる様子でもない。

「……」

何が何だかわからないけど、きっと目の前の男はサスケさんなのだろう。何かしらの理由で私はタイムスリップをしてしまったのだと思う。そして目の前の男はきっとナルトさんの言っていた里抜け後のサスケさんだ。


”タイムスリップ”なんていう非現実な言葉に頭が痛くなった。師匠の元へ向かう際に、時空間忍術か何かにはまってしまったのだろうか。あー考えても埒が明かない!


スーッと剣を抜く音が聞こえた。


死んだら許さないわよ、脳内でサクラ師匠の声が聞こえる。イケメン彼氏ができないまま死んでたまるもんですか。百豪の術が貯まりきってないまま戦っても絶対負ける。なら、逃げるしかない。だけど、蛇に睨まれた蛙状態で背を向けてもきっと逃げきれない。

辺りは森。耳を澄ませば、下から聞こえる川のせせらぎ。おそらくここは崖の近く。…一か八かだけど!


ドゴンッ!

「…!?」


地面に思いっきり拳を叩きつけた。地面が割れ、足元が崩れる。予想外の行動にあのサスケさんでさえも冷静さを失っている。
本日二度目の浮遊感。…何故かサスケさんも一緒に落ちている。一緒に崖落ちしちゃってる。


…殴った範囲、広すぎた。


”この大馬鹿”そんなサクラ師匠の声が聞こえたような気がした。そこで私の意識は途絶えた。


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