• テキストサイズ

花虎の尾/[DC]松田陣平

第2章 夢






駅にもうちょっとで着く…っていう所で





…グッと腕を横からひっぱられる



?「…叫ぶなよ…」



1歩入れば人目につかない路地にいると気付いて
叫ぼうとしている私に
聞きなれた声で後ろから刃物突き刺してきた




顔は見えない。でも…、、




「…ッなんで…」



彼「…綺麗だね、振袖…」



声は高校生の時のままだったが、
ゆっくり振り向いたその先にある姿は


あまりにも変わり果てていた




高校生の時より
細くなり顔もコケているように見える…
なにより目付きが前より鋭い…

全くもって高校生の時に友達だった彼の姿には
見えなかった…


彼は私の方をニヤッと見つめながら

彼「……また付き合おうよ…
僕たち…相性…いいはずだよッ…?」

一瞬何を言っているのか分からない…



逃げられないように掴まれてる腕はギリギリと
痛みが増していく…


「つ、付き合ってないよ…、
卒業式の日…、私ふった…よね…」

彼「違う、違う違う…!!」


変わり果てた彼に恐怖を感じる。怖い。
手も足も震えが止まらない…



彼「僕は…今でも好きだよ。どんな姿になっても…
好きだよ…。あぁ、可愛いね……」



どんどん話が通じなくなってきたのを感じて
腕を振り払おうとするが

刃物を首に突きつけられる…



「…ッ。…な…、やめ、やめて…ッ」


命の危険を感じ声が震える…、
目には涙が溜まり腕の力も足の感覚も分からない…




彼「ここだと、ゆっくり話せないからサァ…、
場所移動しようか。ゆっくり出来る場所…、」



おもむろに手を引っ張り
ずんずんと歩いていく。



もちろん刃物は傍から見れば見えないが
耳元で


彼「叫んだら容赦なく刺すからね…
僕の手で死ぬのも…それも…悪くないね…」


と冗談には見えない表情で笑うから


恐怖で涙は止まらないし手足に力入らないから
足もおぼつかないまま歩かされる…、


もう草履の痛みなんか考える暇もないくらい
頭が真っ白になり…



助けを通り過ぎる人達に求める気力も残ってなかった…
/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp