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甘えたがりの恋(仮)

第3章 それぞれの思い






そんな秀次になってしまったのは、あの私を縛り付ける大規模侵攻。

秀次の家に私たち家族は遊びに来ていた。

幸せだった。

平和だったのに、




ゲートが開くまでは。



トリオン兵がゲートから出てきて、三門市を襲いはじめた。

私達は逃げた。

必死に。必死に。



そのとき、


ザシュッ!


と私の家族が殺された。

母、父、祖母。

立ち尽くす私を襲ったのは絶望だった。



そんな私を引っ張って、

「大丈夫。俺がゆるを守るから。」

一緒に逃げてくれた。





その瞬間も束の間、まだ走り出したばかりだったのに、



今度は秀次のお姉さんが私達の目の前で殺された。


「………姉さん?」


秀次のお姉さんは動かない。


「…姉さんっ…姉さんっ!」


秀次は泣き叫んだ。

そんな秀次を見ているのがつらかった。



背をそむくと、家族の姿が目に映る。


『……おかあさん?』


駆け寄ると、


「…ゆる…にげ…て………」


この声を聞いて、私は壊れてしまったのかもしれない。


『お母さんっ…?ねぇ、おばあちゃんも早く起きてよ!お母さん、お父さん、おばあちゃん!』








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