第7章 恐怖の前触れ
家に帰ってしばらくすると、本部から呼び出しを受けた。
『失礼します。』
私がつくとすでに蒼兄や秀次がいた。
『秀次。隣いーい?』
「ゆる。あ、うん。」
私が席に着くと、
「失礼します。」
「遅い!何をもたもたやっとる!」
悠一、修、遊真、そしてなぜか陽太郎が入ってきた。
「いやーどもども。」
「またせたな、ぽんきち。」
「なぜお前が居る!?」
「陽太郎!陽介はどこいったの?」
「かれはよくやってくれました。」
陽介はどこに……?
とくだらないことを考えていると
「とりあえず。早く始めましょうか、城戸司令?」
「…あぁ」
と会議が始まった。
「我々の調査で近々、ネイバーの大きな攻撃があるという予想が出た。先日は爆撃型ネイバー一体の攻撃で、多数の犠牲者が出てる。我々としては、万全の備えで被害を最小限に食い止めたい。そこで空閑にネイバーとしての意見を聞きたい。」
「ふむ。ネイバーとしての意見。」
「近界にいくつもの国があることはわかっとる。いくつかの国には遠征もしとる、だがまだデータがたらん!知りたいのは攻めてくるのがどの国で、どんな攻撃をしてくるかという事だ!お前がネイバー側の人間だろうがなんだろうが、ボーダーに入隊した以上は協力してもらう!」
「なるほど…そういう事なら俺の相棒に訊いたほうがいいな。」
というと遊真の指輪から出てきた黒いトリオン兵。
見たことがない城戸司令達は驚く。
「初めまして、私はレプリカ。ユーマのお目付役だ。」
「!?」
「なんだこいつは!?」
「私はユーマの父、ユーゴに作られた多目的型トリオン兵だ。」
“トリオン兵”という単語に秀次が、“ユーゴ”という単語に城戸司令が反応する。
「私の中には、ユーゴとユーマが旅した近界の国々の記録がある。そちらの望む情報も提供できるだろう。」
「おお…!」
鬼怒田さん、それに忍田さんと城戸司令もかなり驚いている。