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甘えたがりの恋(仮)

第6章 騒がしい正式入隊日



その瞬間、

「スラスターON!」

修はスラスターに切り替え、シールド突撃で蒼兄を壁まで追い込む。

蒼兄はスコーピオンで攻撃を仕掛けるが、レイガストの盾に閉じ込められた。

修は小さな穴を開けると、アステロイドを近距離で撃つ。

「決まった。」

と遊真が呟く。

しかしスコーピオンが首に刺さっている修が見えた。


«伝達系切断 三雲ダウン»


修はその場に膝をついた。

「惜しかったわね…」

すると准が、

「いや…そうでもないな。」

と返した。

「え?」

その瞬間、蒼兄の左腕が落ちた。


«トリオン露出過多 風間ダウン»


「!」

修は驚いていた。

「え…それじゃあ…。」

「最後は相打ち…引き分けだ。」

「!」


«模擬戦 終了»

結果は

24対0 1引き分け

となった。

『…へぇ。意外とやるね。』

「風間さんと引き分けるなんて…!」

「勝ってないけど大金星だな。」

「修、やったじゃん。」

と称賛の声があがる。

本人はというと、

「やった…のかな?」

と戸惑いながら遊真とハイタッチしていた。

蒼兄が訓練室から出てくる。

いつの間にか京介がいて、蒼兄に

「風間さん、うちの弟子が世話になりました。」

と話していた。

「烏丸……そうか、おまえの弟子か。最後の戦法はおまえの入り知恵か?」

「いえ、俺が教えたとは基礎のトリオン分割と射撃だけです。戦法を考えたのは、間違いなく修自身ですよ。」

「…なるほどな。」

『…蒼兄?』

「…」

声をかけると黙って頭を撫でられた。

そして、京介が

「どうでした?うちの三雲は。」

と聞く。

「…はっきり言って弱いな。トリオンも身体能力もギリギリのレベルだ。迅が推すほどの素質は感じない。」

「…」

修は落ち込んだ。

「…だが、自分の弱さをよく自覚していてそれゆえの発想と相手を読む頭がある。知恵と工夫を使う戦い方は俺は嫌いじゃない。」

「…!」

「邪魔したな三雲。ゆる行くぞ。」

『あ、うん。』

蒼兄は厳しいものの、修の戦法を素直に褒めていた。

「あれ?結局俺とは勝負してくんないの?」

と遊真。

「勝負?おまえは訓練生だろ。勝負したければこちらまで上がって来い。」

と蒼兄は遊真にしっかり返していた。

そして、私達二人は訓練室を後にした。

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