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甘えたがりの恋(仮)

第6章 騒がしい正式入隊日





「…」


しばらく蒼兄が考え込んだように黙っている。

すると、階段を下りて遊真達の所へ向かう。


「…!風間さん、来てたんですか。ゆるも。」


と准が声をかけてきた。


「訓練室を一つ貸せ、嵐山。…迅の後輩とやらの実力を確かめたい。」


「!?」


換装した蒼兄に遊真は「ほう」と面白そうに笑う。

准達は予想外の発言に驚いている。


「待ってください風間さん!彼はまだ訓練生ですよ?トリガーだって訓練用だ!」


「俺はべつにやってもいいよ。」


反論する准に対して、遊真は乗り気だ。

しかし、


「違う、そいつじゃない。俺が確かめたいのは……三雲修、お前だ。」


と、さらに予想外の発言を口にする。


『蒼兄…!』


「…!?」


「修と…」


「風間さんが模擬戦!?」


「いきなり何を言いだすんだ風間さん。また城戸指令の命令か?」


と准が聞く。


「三雲は正隊員だろう?俺と模擬戦する分には何の問題もない。」


蒼兄が修に模擬戦を申し出たことで、訓練室がさらにさわがしくなる。

修は自分が指名されると思ってなかったからか、少し…いや、結構戸惑っている。


「訓練室に入れ、三雲。お前の実力を見せてもらう。」


蒼兄が訓練室へ足を運ぶと准が口を開く。


「無理に受ける必要はな…『修…だっけ。』………ゆる?」


しかし私が修に声をかけてそれを遮った。


『蒼兄は強い。それで、修にとって蒼兄はいずれ戦うかもしれない人。だから私は、修の実力でどこまで通じるか確かめたらいいと思う。』


「!!」


覚悟が決まったのか修は蒼兄に向き直る。


「受けます。やりましょう、模擬戦。」


「!!」


その様子を見て充は、訓練生を訓練室から出す。

そして場に残ったみんなで二人を見守る。








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