第29章 不足って事!?
1週間後。
『はい、水どーぞカイザー』
実音はキレる3秒前だった。
「ああ、クソサンキューな」
「実音!ズルいですよ!それは私の役目なのに!たとえカイザーの命令だとしても!」
『俺もこんな事やりたくねぇよ………』
「なんか言ったか?」
『いえ、何も…………』
「なんや実音カイザーにパシられてるんか………何かあったんやろうか?心配やなぁ………………」
氷織がそんな事に呟いている隣で………
「カイザー、実音にそんな事させて絶許…………」
「キレる寸前やん………潔くん………」
「試合で一発シメるか………?」
「こっわ………」
「実音…………今日ここに来ている日だったよね…………後で会いに行こうかな………」
その頃別の場所で凪はそう呟いていた。
『………………………』
無言でフラフラと廊下を歩いていた実音。
めちゃくちゃ疲れた…………!女ってバレた私が悪いんだが…………
「実音。また会ったな」
『黒名くん!試合お疲れ様!』
「それよりも…………」
『いてっ』
後ろにあった倉庫の入口の所で尻もちをついた実音。
「本当に大丈夫か………ドジしすぎだな………」
『ははは………倉庫の中まで入ってしまった………』
「俺も手を差し伸べようとしたら倉庫の中に入ってしまったな。心配のかかる奴だ…………ん?俺変な所押したかも……………実音のドジさにつられて……………あ…………これはヤバいヤバい。俺が変なスイッチ押したせいで俺達閉じ込められた…………すまん…………」
『!?!?』