第23章 将来悪い大人に騙されるなよ………
『え………………………………』
女ってバレた!?嘘でしょ!?なんかめっちゃガン見されているんですが…………顔近い………やっぱり弟と顔似ているなぁ………………下まつげ長いなぁ…………
冴は実音の顔をじ〜と効果音が付きそうなほどガン見し、ひとまず頭の先から足の先まで見ていた。
「色気ねぇな…………ボソッ」
『わかってますよ!!失礼ですね!!』
「その発言からやっぱり女か…………」
『はっ!』
やばバレた………
「まじまじと見ても女ってわかんねぇな………ここにいる奴らがお前を男と間違えてもおかしくねぇ」
あれっこれってディスられているのか褒められているのかわかんないよ…………
「で、なんでお前はここで男装までして何が目的なんだ?」
『っ…………』
「言わねえと他の奴らに………例えば俺の弟とか……」
『あなたの弟さんは気付いてないですよ………てかむしろ何か別の方向で勘違いされてますから…………俺の事潰すとか言っているんですが………あーもー言いますよ!!あと、それよりも顎の所にある手をどけて下さい!!』
「わかった(というか凛と何があったんだ………)」
『ほっ……………。俺…………いや、私は男装してまでここにいる理由はここにいる間女ってバレなければ女子サッカーのプロへの近道を約束されているので…………』
「……………………」
あれっ黙った!どうしたんだろ?
「お前将来悪い大人に騙されるなよ………」
『??』
それが理由か………ここにいる大人どもは何を考えているんだ………
たとえプロへの近道が約束されていたとしても…………
色々リスクがありすぎだろ………バレないとか…………いや、もう俺にバレているか
「佐々ノ原実音。お前のプレイしている動画を少しみてみたがお前のプレイスタイルは嫌いじゃねぇ。せいぜい俺以外に女ってバレないように頑張るんだな女って事は黙っておいてやる」
『……………!あ、ありがとうございます!!』
いや、本当はあと2人にバレているんだけどね…………なんか褒められた!?