第13章 過去。恋愛しないって決めているから
「前から思ってたんやけど、出身滋賀なんやってなぁ」
『っていっても3、4歳ぐらいまでだぞ。いたの。そっからはずっと東京だし』
「お隣さんやなぁ」
『そうなんだよなぁ。羊くん京都だもんな』
「琵琶湖の水止めやんといてなぁ」
『止めないぞ〜。羊くんいるし』
「ありがとなぁ。どうも」
そこで私は昔の事を少し思い出していた。
『おかーさんこのましーんおもしろい!』
「実音!?勝手にランニングマシーンを!?」
実音は小さい頃から活発な女の子だった。女の子とも遊ぶけど、どっちかというと男の子と混じって遊ぶ事の方が多かった。父親の転勤で東京へ。その流れで母親は東京の系列店へ配属となる。母親はジムで勤務しているのだ。仕事で忙しいその隣で時間潰しの為によくランニングマシーンで遊んでいた。そのおかげか体力が普通の子よりもあるようになった。それでも実音は相変わらず変わらない。
「あら〜店長さんの息子さんお元気ねぇ。相変わらず」
「お客様………娘です……息子じゃなくて」
「まあ!あらごめんなさい!」
実音は髪が短かった為よく男の子に間違われたのだ。思えば小さいながら髪、のばした方がいいのかなぁと思い、髪の毛をのばし始めた。
『サッカーしようー!』
スポーツは好き。なんでも。特にサッカー。いつも男の子に混じっていた。
『やばい楽しー!!』
女子サッカーも有名になってきたけどやっぱり男子のイメージの方が強い。でもそんな事は実音にとっては関係ない事。とにかくサッカーができたら幸せだった。
時は流れ小学校高学年。
男子との体格差も出てきたが相変わらず男の子と混じってサッカーをする日々。楽しいから。そんなある日仲の良い女子友達との会話だった。
「相変わらずだね〜実音は男子と混じっていつもサッカーやってるんだもん休み時間に。地元のスポーツチームにも入ってるんでしょ?」
『そうだよー。楽しいよー』
「そっかー。じゃあ1つお願いがあるんだけど…………」
『?』