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綾なす愛色【鬼滅の刃】

第2章 優しい約束、哀しい約束





「ぜぜぜ全然似合わないからやめようと思ってるの!いつもの着物でいいかなって…」

こいつはなんっっっもわかっちゃいねぇ
逢瀬ってのは、とびっきり洒落込んでするもんだ
そうじゃねぇ…な
俺が見てぇんだ
俺の為にめかし込んだ薫を見てぇ

「お前見る目ねぇなぁ…ほら見てみろ。薫の白い肌に青が映える」

何かしらの理由をつけて近づく俺は、自分でも笑えるくらい必死だ
鏡に映る俺たちは、今にも顔が触れそうなくらい近い
薫の耳元で囁けば、変じゃないかと俯く
そんないじらしさが堪らねぇ
男を知っているはずの薫が、生娘みてぇな反応をする
このまま時間が止まればいい
そう願った俺の耳に聞こえてきたのは

「杏寿郎さんは?てっきり一緒に来るんだと思ってた」

煉獄の名だ
一気に現実に引き戻された

「あー…待ち合わせここにしてんの。野郎2人がどっかで待ち合わせして一緒に仲良く来るっつうのもな?」

わざわざ抜け駆けをするつもりで来たってのに、これじゃ俺と煉獄の仲を心配されにきたようなもんだ

「どうして?仲良しなのはいい事でしょ?」

こいつは本当に鈍感で天然だ
俺の狡い考えを微塵も感じちゃいねぇ
調子が狂う
だが、それが楽しくて仕方ねぇんだ

どうしたらこいつは俺を見てくれる?
どうしたらこいつは俺で満たされる?

ジッと俺を見る薫は、何か思いついたように振り返って俺を見た

「あっ…!!もしかして天元さんって…」

なんだ…気づかれたか?
それならそれで行動に移すまでだ

俺を見る薫は、丸く目を開けて俺のどんな小さな表情も見逃さないように見ているようだった
なかなかその先の言葉を紡ごうとしない薫に俺は

「なんだ?」

その先を急かした

「…好き?」

薫から出た言葉はたったの二文字
その二文字には、相当な破壊力がある
たった二文字が言えねぇでいる俺のこと嘲笑うかのように、簡単に発せられた言葉
たった今まで気づかれたっていいと思っていた俺が、まるで日輪刀を向けられた鬼みてぇに動揺していた

「はぁっ?何だよいきなり!」

この問いは間違っちゃいけねぇ
正しい答えを見つけるために、頭の引き出しを全部ひっくり返した

「正直に言っていいんだよ?」

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