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綾なす愛色【鬼滅の刃】

第2章 優しい約束、哀しい約束





ニッと口角を上げて、壁から背を離しこちらへ向かう天元さん
いつもは結っている髪を下ろして、濃い紺色の着物に艶のある銀鼠色の羽織を着ている
一歩踏み出す度に、銀色の髪が揺れて素顔のままの天元さんはいつもより優しく見えた

「そうだなぁ、薫が鏡の自分と睨めっこしてる辺りからだな。声かけたけどよ、返事がなかったから上がらせてもらった。それより玄関鍵開けっぱなしだったぞ。こりゃ毎日見回りにこなきゃならねぇなぁ?」

待って待って!
いつもの雰囲気と全然違う!
天元さんの話が全く頭に入ってこない
なんだろ…凄く綺麗

じっと見つめてしまっていた
光に当たる銀髪はキラキラと光って、私には眩しいくらい
目の周りのお化粧もしていないから、素顔の素敵さが際立っている

私の目の前まで来てワンピースを拾うと、今度は天元さんの手で体に合わせられた

「これ着てかねぇ?すげぇいいと思うんだよな」

「ぜぜぜ全然似合わないからやめようと思ってるの!いつもの着物でいいかなって…」

ダメだ…
口も上手く回らない
そんな私をくるっと鏡台に向かせて、後ろから抱きしめるような体勢でワンピースを当てて見せる天元さん
鏡に映る私と、ちょっと前屈みになる天元さん
ちょうど私の肩の位置にある天元さんの顔
口が耳のそばにあるから、天元さんの声がよく響いてくる

「お前見る目ねぇなぁ…ほら見てみろ。薫の白い肌に青が映える」

あぁあっ!!
耳元で喋らないで欲しい!

「変…じゃないかな?」

「変なわけねぇよ。薫の為に作られたように似合ってる。着たところ見せてくれねぇの?」

「でも、海だよ?こんなよそ行きの格好じゃ…」

「俺たちと逢瀬だろ?洒落込んで行こうぜ?」

「…うん。じゃあそうしようかな」

だって不思議なんだ
天元さんがワンピースを合わせてくれた私は、さっきと見違えるくらいワンピースが似合っていたから

「杏寿郎さんは?てっきり一緒に来るんだと思ってた」

「あー…待ち合わせここにしてんの。野郎2人がどっかで待ち合わせして一緒に仲良く来るっつうのもな?」

「どうして?仲良しなのはいい事でしょ?」

2人が羨ましいと思うんだ
2人共、すごくいい顔して笑い合ってるの

「あっ…!!もしかして天元さんって…」

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