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綾なす愛色【鬼滅の刃】

第2章 優しい約束、哀しい約束





両側から立ち上がる甘い香り
お菓子みたいだ

その香りを取り込んでいると、くるくると器用に卵が巻かれていく
2人共器用だな

天元さんも煉獄さんもすごく楽しそう

「して、薫さん!」

手元に身惚れていると、煉獄さんが急に私を呼んだ
びっくりして煉獄さんを見ると、大きな目を開いてずずっと私に詰め寄った

「はい…!!」

「君は俺のことは下の名で呼んでくれないのか?」

「えっ?」

突然のことに頭が追いつかなかった
そうか…天元さんは天元さんて呼んでる
だって、そう呼べって言われたから…
煉獄さんもそうして欲しいの…かな

「えっと…」

「杏寿郎だ!」

そう!煉獄杏寿郎さん
男らしいのに、可愛い一面を持ってる杏寿郎さん

「杏寿郎さん!」

「なんだ!」

「呼んでみただけ」

元気に返事してくれるから、やっぱり可愛い
そんな私達をじっと見てくる天元さん

こめかみを指で軽くパチンと弾かれた

「おい!薫、ちゃんと見とけよ。こっから勝負は始まってんだ」

そうだった
天元さんと杏寿郎さんは勝負しているのだった
楽しくて忘れるところだった

どちらも形はきれいにできているし、香りも良かった
甲乙つけ難いんじゃないのかな…

「せっかくだし、私おにぎり作ります。みんなで縁側で食べたいな」

せっかくのいい天気
庭のお花を見てもらいながら楽しく食べよう
1人じゃない食事の時間は久しぶりだから

「ほう。それはいいな!」

「そりゃいい。紫陽花みながら昼飯食えるなんて花見みてぇだな」

季節は違うけど、お花見だ


————たくさん作ったおにぎりは、あっという間になくなった
私の予想は的中し、2人が作った卵焼きは結局どちらと決め難く私は今天元さんと杏寿郎さん
2人と睨めっこしていた

「おい、薫。決めろ」

「正直に言ってくれ」

どうしよう…お世辞とかじゃなくて、本当にどっちも美味しかった
決められないよ
だって2人共練習してきてくれたんだよね?

それに何より、楽しかったんだよ
それは天元さんと杏寿郎さん2人がいたから

「あ、あのね…本当に決められないくらいどっちも美味しかったの。それは2人がいたから!だから、2人とも勝ちじゃ…ダメ?」

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