第2章 優しい約束、哀しい約束
なんだろうな
すごく落ち着く…
この2人が纏う雰囲気が穏やかで優しいからだ
「薫!卵持ってきたぞ!」
天元さんは新聞紙の包みを上げて見せた
「なんでも、不死川と言う仲間が育てている卵らしくてな!」
煉獄さんはその新聞紙の包みを見つめてにっこり笑っている
きっと、そのシナズガワさんって人の事を思い出しているのだろう
「遅くなっちまってすまねぇな。この卵ってのが厄介でな。不死川が鬼から助けたばぁちゃんにお礼と称して鶏貰ったらしくてよ。」
天元さんはククっと笑いながら説明している
「なんでも、すげぇよく生むから卵には困らねぇって話だったそうだが…不死川の屋敷にきたら生まねぇって生まねぇって。アイツの顔のせいだな。怖ぇもんな、不死川の顔。鶏にも怖がられてやんの」
「ほう。それでやっと生んだものがそれと言うわけか?」
「そそ。貴重な卵だ」
よくわからないけど、仲のいい人が天元さんにも煉獄さんにも他にいるってことだ
楽しそうだな
「っつぅわけで、薫!邪魔するぜ。今日は卵焼きの日だ」
天元さんはどんどん玄関に入って行って家の中へ上がって行った
煉獄さんは天元さんの後を追うようにして私の横を通ると
そっと私に耳打ちした
「頬は良くなったようだな」
いつも大きな声なのに、コソッと小さな声で
「はい。あの…煉獄さん?あの日私が起きる直前までいてくれました?」
「夜明けまで君のそばにいた。君が目覚めるまでいようかとも思ったのだが…あまり女性の屋敷に2人きりと言うのも…な?」
「あのっ、ありがとうございました。夜明けまで安心して眠れたのは煉獄さんのおかげ」
煉獄さんはにっこり笑ってくれる
やっぱり笑顔は可愛いと思う
「俺がしたくてしたことだ。さて、俺も邪魔させてもらおう。俺も卵焼きの修行をしてきたのでな!期待していてくれ」
「天元さんと煉獄さんの勝負だね!楽しみ」
「宇髄には負けられんな!」