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綾なす愛色【鬼滅の刃】

第2章 優しい約束、哀しい約束





「さぁ、行くぞ!」

煉獄さんはやっぱり太陽みたい
私の人に言えないこと、気付かれないようにしてることに陽の光を当ててくる
でもそれを絶対笑ったりしない
陽の光がみんな平等に届くように、煉獄さんもこんな私にも届く様に温もりをくれるんだ

前を歩く煉獄さんの背中はすごく大きい
辛いこととかないのかな?
背中はピンと伸びていて、自信に満ちているように見える
堂々と太陽の下を歩ける人

「薫さん!」

そしてやっぱり声が大きい

「はい!!」

「君のことを少し訊いてもいいか?」

煉獄さんは振り返ると、組んでいた腕を解いて私に向かってその腕を伸ばしてきた
隣においでと言っているのだと思う
私は小走りで煉獄さんの横に並ぶと、私の歩調に合わせるようにまた歩き出した
細かい気配りのできる人なんだ
もっと豪快で大雑把なのかと思ってたから、人は見かけによらないって本当のことなんだって妙に納得した

「私のことですか?」

私のことを知りたいと言われたことに、内心ドキッとした
だって私のことなんて、さっき煉獄さんも見てた通り人様に言えるようなことはないんだ

「そうだ!君のことは、甘い卵焼きが好きと言うことしか知らないのでな!」

私って何だろう
何も生み出せずにいるただの殻みたいな感じ
誰かを愛するわけでもないし、誰かの役に立っているわけでもない

海辺の貝殻みたいに波に攫われてなくなったとしても
誰にも気付かれないし、困らない。私はそんなモノ
それでも私には好きなものはある
甘い卵焼きが好き
庭に咲く紫陽花が好き
雨上がりの空が好き
それから友達になるって言ってくれた天元さん、私を受けなければいけない罰から救ってくれた煉獄さん

私は人間としてちゃんと好きなものがある

「私は…紫陽花が好きです。庭に植えられていて、この時期になると綺麗に咲いてくれるの」

「紫陽花か!見事な花を咲かせるな!ほう。それから?」

それから…?
なんだろうな

「うむ!では、女性に齢を訊くことは失礼やもしれんが…聞いてもよいか?」

「19です。今年二十歳になります」

「そうか!俺と同じだな!俺は二十歳になったばかりだ」

「えぇっ!?煉獄さん二十歳!?嘘!!」

私は失礼にも驚いてしまった
だって煉獄さんもっとずっと上だと思ってたから…

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