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綾なす愛色【鬼滅の刃】

第2章 優しい約束、哀しい約束





天元さんからもらった優しさで、私は生き延びことができている気がする
もうとっくに限界がきていたんだ
それを騙してあの人から偽物愛情をもらって凌いでいた

天元さんが挿していった紫陽花は、まだ咲いている
今日で4日目
そう、金曜日

私は染み込んだ習慣からは抜け出せずに、今日も地味な着物を見に纏う
いつもの簪を挿して鏡の前でため息を一つ
ちっとも楽しみじゃない
これでも最初の頃は会える楽しさに心を躍らせていたんだ
でも、会うのはいつもあの空き家

どこかおかしいと思いながらも、考えるのをやめた
この人ごいなくなったら、私を知ってる人がいのくなるから
奥さんがいると知ってから、何度も行くのをやめようと思った
でも結局こうして支度をして家を出る

私はなんて弱いのだろう…

今日も電気をつけずにあの人を待つ
暫くすると、玄関が開いた

でも様子がおかしい

「ちょっと!!いるんでしょ!!出てきなさいよ!泥棒女!」

キンキンとした女の人の声
私はこの手の声がすごく苦手
動けなくなる
嫌な記憶を呼び起こすから

膝を抱えて耳を塞ぐ
ぎゅっと目を瞑ると、腕を思いっきり引っ張られた

「いたっ!!!」

「みつけたわよ!!あんたね!私の夫をたぶらかして!」

私の悪事は見つかった

「ごめん…なさい」

血の気が引くとか、真っ青になるとか
そんなことはなかった
どこが冷静な自分がいて、これで終わったんだって楽になれた気がした

私の腕に爪が食い込むくらいの力で引っ張るこの人は、誠二さんに愛されているのかな

放り出されるようにして外へ出ると、この人は手を振り上げて私の頬を叩いた
一回じゃ気が済まないようで、何回も

「あのねぇ!誠二さんはね、ちゃんと私のところに帰ってくるの。あんたなんて遊びでしかないの!可哀想なあんたへの同情ね!」

そっか…
誠二さんは、本当の名前だったんだ
なんだかおかしい
ちゃんとあなたの元に帰るならいいじゃない
私にはそれすらも羨ましいのに

「ちょっと!何がおかしいのよ!」

誠二さんの奥さんは大きく手を振り上げた
これが当たったら痛いだろうな…

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