第2章 優しい約束、哀しい約束
「それならもう叶ってるな!俺に煉獄もいる。もっと友達欲しいならまだいるぞ?顔が怖ぇのに根は優しいやつに、首に蛇巻いてるねちっこいやつ。無口で何考えてるかわかんねぇやつもいる。」
なんだかすごく個性の強そうな面々だ
宇髄さんも、煉獄さんも、もう友達だって言ってもらえて
私は舞い上がりそうだ
友達の作り方は知らないし、男性との付き合い方はもっと知らない
普通の恋人ってどんなだろう
体ではなくて心で繋がる感覚が全く想像できないから困る
「すごく個性が強そうですね。煉獄さんもなかなかだし、宇髄さんも派手だし…」
そもそも鬼退治をしている時点で相当個性が強い
「そりゃ褒め言葉だ。並の人間じゃ鬼狩りなんてできねぇしな」
「そう…なんだ」
「なぁ、薫。少し時間あるか?」
時間なんて余るほどある
どうせ家に戻ってもまた同じ毎日の繰り返しだ
「ありますけど、天元さん私なんかに構ってていいんですか?それとも、それもお仕事?」
ほとほと自分が嫌になる
可愛くない言い方
せっかくお友達って言ってくれたのに
真っ直ぐ私を見てくれる人に出会ったのいつぶりだろう?
あの人でさえ、私の目を見ない
見ているのは、体だけ
「お前なぁ。」
天元さんは大きなため息をついた
呆れたよね
孤独が怖いくせに、人と近づくことも怖いみたいなんだ
いつか捨てられるんじゃないかって
「鬼もいねぇのに、仕事でわざわざ女1人待つかよ。これは俺の個人的な用事だ。特別な」
特別な用事?
私が?特別?
考え込んでいる私は、天元さんのしゃがんだ膝に乗せられた
「あのっ…!!」
額に付けられているキラキラした宝石が、もう少しで私の頬に触れそうな距離
なんだかいい香りもする
「首に腕回せるか?」
「えぇっ?!」
たった今裸で行為をしてきた
恥ずかしさなんてこれっぽっちもなかったのに、首に腕を回せと言われたことには、心臓が口から出そうなくらいドキドキしている
「ちゃんと掴まんねぇと落ちるぞ」
戸惑っている私の腕を天元さんがとると、半ば強制的に首に巻かれてしまった
もう少しでつきそうだった宝石は、私の頬をくすぐっていて
吐息さえ顔にかかりそうな距離まで近づいてしまった