~SWEET BLACK POLICE~ 【DC:降谷零】
第8章 探偵たちの夜想曲 (推理)
「あっ、また動き出した。今度は、王石街道を南下して鳥矢町方面に向かってるわ」
予備の追跡メガネで哀ちゃんが道案内をしてくれる。
「了解。まだまだ追いつけそうにありませんね」
「しかし、犯人はどこに向かっておるんじゃろろう?うろうろ迷っているようにも思えるが…」
「意外と、博士の言う通り本当に迷っているのかも。自分の望む着地点が見つからずに…」
コナン君無事でいて。博士に答えながら祈る。
「あーっ!!」
「どっ…どうしました?陽菜さん」
「私思い出したんです。コナン君を誘拐した、樫塚圭さんがお兄さんだと言って、見せてくれた携帯の待ち受け画面の男の人!!この間の銀行強盗の被害者です」
「では、彼女はお兄さんの復讐のために、コナン君を誘拐し、何かをしようとしているということでしょうか?」
「そこまでは、まだ情報が足りなくて詳しくはわかりませんが、復讐しようとしているというのは間違いないかもしれません。あの時の銀行強盗の監視カメラを一回しか見てないので、うろ覚えではありますが、銀行員の制服をきた、樫塚圭さんが映っていたような気もします」
「だとすると、その男の人がお兄さんというのは、嘘かもしれませんね」
「昴君、何でじゃ?」
「銀行では不正などが起こらないため、親族を同じ銀行に配置しないようにしているんですよ。つまり、彼は恋人の可能性が一番濃厚でしょう」
推理を話していると、コナン君のGPSがまた動き出した。
「また、動き出したわ。このスピードは、また車に乗ったようね。今度は杯戸町方面に向かっているわ」
「しかし、なんでいったん車を降りたんじゃ?犯人はコナン君を車から降ろして、どこかに連れまわしていたのかのう?」
「もしかしたら、連れまわしているのはコナン君の方かもしれませんよ」
確かに、沖矢さんの言う通り私も連れまわしているのはコナン君のような気がする。
一方、安室さん、毛利探偵、蘭ちゃんも私ちからだいぶ遅れてコナン君の追跡を開始した。
「あ!うそ!コナン君からメールきてた!大丈夫だから心配しないでって…」
蘭ちゃんがメールを確認して読み上げる。
「どうやらあの子、自らついていったようですね」
「あのガキ…また探偵気取りかよ」
「まあ、子供の好奇心は、探偵の探求心と相通ずるものですから」
MEXT…。