第1章 ムカつくアイツ。
「いってー!背中に思いっきし当たったんだけど⁈」
「悟、今のは言い過ぎだ。」
「・・・・まじでクズだな。」
冷たい視線を向けられ、五条は頬杖をついたままケッとそっぽを向いた。
「優等生ぶりたいんなら最初っから遅刻なんてしなきゃいーんだよ。」
「・・・遅刻はまぁ悪いとして、
は別に優等生ぶってるわけじゃないよ。」
落ち着いた口調で話し始めた硝子に、「あ?」と五条は視線を向けた。
「親がいないにしてみりゃ停学や退学になったら死活問題だ。
だからこれ以上目をつけられる訳にはいかないんだろ。
ここにいれば学費も住むとこも困らないし、任務をこなせば給料だって入るからな。
ま、五条のおぼっちゃんには分からないか。」
「・・・・。」
硝子は黙ったままの五条を一瞥し、鞄を肩に掛けた。
「じゃ、私は帰るから。」