第1章 ムカつくアイツ。
『ったく!いつまで寝てんのよっ!』
バシッと頭を引っ叩いた。
「いってーー…あれ?授業終わった?」
ガシガシと頭を掻きながら、ズレたサングラスから蒼眼を覗かせた。
『とっくに終わってるから!
寝ぼけてないでさっさと掃除終わらせるよ⁈』
私は掃除用具入れから箒を2本取り出し、片方を五条に押し付けた。
「あーー?面倒くせ。ねみーし。
つーか今日はお前がやってくんね?」
『・・・・は?』
いつまでも押し付けた箒を受け取らない五条にイラつき、額に青筋が浮かぶ。
「ーーー悟。」
傑が口を挟みかけたのを五条は片手を上げてハイハイと制すると、
「何も2人でやんなくて良いだろってハナシ。
1週間もあんだし、交代制で良くない?
明日は俺がやっから。」
さぞ名案でも思いついたかのように話す五条に私は深く長いため息を吐いた。
『あんたの"やる"は信用ならない。
明日は明日でどーせ理由つけてサボるのが目に見えてんのよ。
そんな話しにはのらないから。』
「んだよ、融通きかねーなぁ。
外では遊びまくってるクセに変なトコで優等生ぶりやがって。」
机に頬杖をつき、悪態をつく目の前のサイテー野郎に私の頭の中でプツッと糸が切れた。
『ーーーもういい。勝手にして。』
手に持っていた箒を五条に投げつけ教室を出た。