第4章 海
バシャバシャと手と足をバタつかせ、浮き上がろうとしても体は沈んでいき、海水を大量に飲み込んでしまう。
ーーーーゴボッ
息っ、、つづかなっ、、、
「っ‼︎」
沈んでいく身体をガバッと力強く引き上げられ、水面に顔が出ると浮き輪を掴まされた。
ゴホッゴホッ、、
「しっかり掴んでろよ?」
むせる私の背中を五条は片手で摩り、もう片方の手は浮き輪を掴んでいる私の腕が離れないように上から重ねてくれた。
直に五条の体温が伝わり、不思議と気持ちは落ち着いていったーーーー。
『〜〜〜ハァ…本気で死ぬかと思った…』
ようやく息が整い、ぐったりとした身体を浮き輪に預けた。
「金槌の癖に海行きたいとか、普通言わねーだろ?」
『いーじゃん、泳げなくたって雰囲気は味わいたかったんだもん…』
ブスっと口を尖らせると、五条は呆れた声で「ったく、仕方ねーなぁ…」と呟いた。
するといきなり膝裏と脇に腕を差し込まれたかと思うと、そのまま横抱きに抱き上げられてしまった。
『ちょっ、、、何っ⁈⁈』
突然のお姫様抱っこに手足をバタつかせると、
「暴れるとまた海ん中落ちちゃうかもよー⁇」
五条はニヤ〜ッと意地の悪い笑みを浮かべながら私を見下ろした。
ーーーーーコイツ〜〜〜〜‼︎‼︎
プイッとそっぽを向き、大人しくすると、
「なかなかこっからの眺めは悪くねーな。」
『は??』
「谷間がそそる。なぁ、この水着ってズラしたらポロリすんの?」
五条の手が腰からお腹の上に回され、オフショルの水着をクイクイッと引っ張り出した。