第4章 海
『ゴラァーーーー‼︎五条ーーーーー‼︎‼︎』
「んだよ〜!ご要望のビーチボールと浮き輪、膨らませてきてやったんだぞ⁈感謝しろっ感謝っ‼︎」
浮き輪を片手にバシャバシャと水飛沫をあげながら負けじと私も海へと入っていく。
『普通に手渡しってもんが出来ないワケ⁈』
「普通に手渡ししようとしたら目の前に恰好の的があったからつい⁇寸胴で良い的だなあ〜って、、、ヴォエッ」
浮き輪を五条の首に引っ掛け、思い切り引っ張ってやった。
『誰が寸胴だって⁈見ろっ、このナイスバディ、、、!ウップ、、わわっ⁉︎足っ!足がつかなっ、、、⁉︎』
夢中で追いかけて来ていつの間にか、つま先しか足が届かないところまで来ていた。
「ハッ、ウケる〜!お前まさか泳げねーの⁇
・・・・っておいおい、マジか⁈」
足がつかない恐怖で最早パニックの私は五条の声など届いていなかった。