第3章 賭け
『ーー五条。』
あと数センチで唇が重なるところで、私は人差し指を五条の口に当てた。
『強硬手段に出た?』
「ーーーーあ?」
『男断ち。
ほら、今日でちょうど1ヶ月でしょ?
賭けに負けたくないからって私を誘惑しようとしてもそーはいかないからね⁈』
ふふん、と挑発的な笑みを浮かべて見上げると、五条は首を捻った。
「賭け?あーー…忘れてた。」
・・・・は⁈
忘れてた⁈⁈
言い出した本人が忘れてたーーー⁈⁈
沸々と込み上げてくる怒りを露わに、ギリっと奥歯を噛みながら五条を睨み上げる。
『つーかじゃあ今のこの状況は何なのよ…
何で私に覆い被さってるワケ?』
「えーー。だからそれは女心を読んでエッチしたいのサインに応えようと、、、、
え、何か怒ってる?」
『そーね。めちゃくちゃ怒ってるから早くそのデカい身体どけてくんない?
それとも股間蹴られたい?』
サッと五条の顔から血の気が引き、大人しくベッドから降りると床に正座した。
そんな五条に威圧的な視線を向けながら、私かベッドサイドに座ると、
「・・・チョーシにノッテスイマセンデシタ。」
若干棒読みではあるけど。
『ふんっ。無駄に容姿だけは良いんだからちょっとドキッとしちゃったじゃない。』
「えっ⁈マジ⁇その気になった??」
『・・・切り替えの早さよ。
それよりさぁ、私の言う事何でも聞いてくれる約束だよね?』
「・・・・そうだっけ?」