第3章 賭け
「げーーー。海ぃ⁈クソ暑い時にクソ混んでるトコ行くのかよー。」
『ーーー何でも?』
「・・・・言う事キキマス。」
うんうん、とニッコリ笑顔を貼り付けると、五条はげんなりとした顔をした。
『ほらっ夏っぽい事したいじゃん!
まだ4人で出掛けた事もないし、行こーよ海‼︎』
「・・・で、俺に何しろと?」
『海嫌がる硝子を説得して。
安くてご飯の美味しい海の近い民宿の手配。
それから浮き輪とビーチボールを用意して、あとは、、」
「オイオイオイ、多すぎんだろ⁉︎
どんだけ注文つける気だよ⁈」
『私、傑に告白するから。』
「ーーーーは?」
『あれ?前に話したじゃん。
男断ち成功したら告るって。』
「話したかもしんねーけど、、、」
『そーゆうシチュエーションになったら空気読んで。ね?』
すると五条は呆れた様子で息を吐くと、胡座を掻いた。
「つーか断られたら気まずくなるとか思わねーの?
相手は傑だぞ?」
『うーん…。断られても別に今と同じ友達のままになるだけだし、別に気まずくないじゃん。
元々ダメ元で付き合えたらラッキー♡みたいな感じだし。』
「あー、、そうだったな。お前はそーゆうヤツだったわ。」
吐き捨てるような言い方に思わずムッとする。
『何よ、その棘のある言い方。』
「べーつに?お前は女心がどーとか言ってっけど、男心はまるで分かってねーよな。」
『・・・男心⁇何よソレ。』
五条は肩を竦めるとテーブルに置いてあったサングラスを掛けた。
「下心に隠れた本心だよ。」
黒いレンズ越しに視線が交わる。
レンズの奥の瞳が真剣なものなのか、おちゃらけているのか、読み取れない。
意味が分からず眉を寄せると、五条は視線を外した。
「ま、せーぜーフラれないよう頑張れば?
つーか任務で疲れたから寝る。
お前も部屋戻れよ。」
『あーうん…。そーだね、、』