第3章 賭け
ガチャ
ドアが開き、部屋の主が帰って来た。
『おかえりーー。』
目線はテレビに向けたまま声を掛けた。
「また勝手に人の部屋入りやがって。
あーーあぢぃーーーー。
つーか何、DVD観てんの?」
気怠そうに部屋に入って来た五条は、ベッドに座っていた私の隣にドカッと腰を下ろした。
『1人でゲームしてもつまんないんだもん。
テレビの下漁ったらDVDいっぱいあったから。
これ、観たいと思ってたんだよねー。』
「シザーハンズ?
これ俺的には納得のいかない終わり方なんだよねー。
つーか最後さ、エドワードが、、うぷっ」
私は咄嗟に手を伸ばし、五条の口を塞いだ。
『ちょっ、信じらんないっ‼︎あんた今サラッとオチを言おうとしたでしょ⁈
馬鹿なの⁇』
眉を吊り上げ、怒りの形相で五条を睨みつけながら抑える手に力を込める。
『ネタバレ禁止だかんねっ?いーい?分かった⁇⁇』
コクコクと首を縦に振るのを見て、私が手を離した瞬間、五条はプハッと息を吸った。
「おまっ、少しは力加減しろよっ!怪力女っ!窒息死するわ‼︎」
『あーはいはい。
てゆーか今良いとこなんだから黙っててくれる?』
「・・ここ誰の部屋だと思ってんの?」
『五条悟様の部屋でしたねー。
ーーほら、食べかけのポテチあげるから。
あとポッキーときのこの山もあるよ?』
五条は眉間に皺を寄せ、すでに半分しか入ってないポテチの袋を受け取った。
「人のベッドの上でめっちゃ食いまくってんな…。」