第2章 焼肉と欲望 *後半 微Rあり*
五条side
一方的に通話を切った上、終いには電源も切りやがった。
「っざけんなっ。」
ポケットに手を突っ込み新宿のアルタ前をズカズカと大股で歩く。
ジロジロ見てくる奴らにも何だか無性に腹が立つ。
よりによって週末の新宿とか、何の嫌がらせだよ、あのバカ‼︎
ホントなら今頃を拾って車で高専に戻ってるはずだった。
"先に帰れ"というアイツを放っておいても良かったけど、夜蛾に問い詰められんのも面倒だし、何よりアイツが何か隠してんのが気にくわなかった。
あの反応からして男絡みに違いない。
そう確信した俺は新宿で車を降り、補助監督を先に帰した。
俺との賭けを始めて2週間、そろそろハメを外したくてウズウズしてんのは見てて分かってた。
あんな奴、放っときゃいいのに、俺はいつからこんな世話焼きになったんだ?
柄にもない事をしてる自覚はある。
しかもこの人混みの中からを見つけ出すとか、、、、
マジで無謀すぎる。
ーーーーくそっ
になのか、自分自身になのか、イライラがMAXに達した俺は足を止めた。
「ハッ、バカバカしい。帰ろ。」
アイツに何かあっても自業自得だ。
俺の知った事じゃねーし。
胸のあたりに僅かなしこりが残る気もしたけど、気のせいと思い込む事にし、踵を返した。