第2章 焼肉と欲望 *後半 微Rあり*
ーー
『うまっ!これ、めっちゃ美味しい〜!』
ネギをたっぷり乗せたタン塩に舌鼓をうつ。
さすがは高級店。
私達高校生が行く焼き肉食べ放題とは値段も味も違う。
店の雰囲気も落ち着いていてお洒落だし、席はカウンターと個室のみでカップルが多く来店しているようだった。
「ちゃん、見かけによらずよく食べるね〜。」
「いーじゃん!俺ご飯沢山食べる子大好きだよ。ホラ、これも食いな。」
『・・ども。』
チラッと前に座る2人に視線を向けると、食事はそこそこに、薄い笑みを浮かべながら頬杖をつきビールを飲んでいる。
がっつく私が面白いのか、りょーすけは焼けた肉を次から次へと私の前にあるお皿に乗せていく。
ーーーー最っ高。
持つべきものは金持ちで年上の男友達だ。
フーフーと熱々の肉に息を吹き、白米と一緒にかき込む。
「ハハッ、何か餌付けしてる気分だよ。」
「確かに。可愛いからついあげたくなるな。」
餌付けって…。
私、動物じゃないんだけど。
心の中でボヤくけど、お腹空いてるし今は黙っておく。
私の術式は自身の血を使う。
だから任務の後はいつも肉を積極的に食べるようにしてる。
まさに絶妙のタイミングのタダ焼肉に箸は止まらない。
網で焼けたレバーに箸を伸ばし、ご飯の上に乗せタレと一緒にご飯をかき込んだ。
『ハラミ、追加してもいい?』
「あははっ、勿論いいよ。」
設置されたパッドを操作し、特上ハラミとついでにご飯と烏龍茶も追加した。
ーーー制服じゃなかったら私もビール飲めたのになぁ。
ビール美味しそ。。
そんな事を思ってると、ヴーヴーヴーとポケットの中で携帯が振動し、小さく舌打ちをする。
店に入ってから数回目の着信。
ずっと無視を決め込んでいたけど、いい加減集中して肉を味わいたい。
私は箸を置き、
『ーーーちょっとトイレ行ってくる。』
そう言って個室から出て、トイレへと向かいながらピッと画面をタップした。