第2章 焼肉と欲望 *後半 微Rあり*
ん?
振り向くと、大学生ぐらいだろうか、男が2人立っていた。
「やっぱり!ちゃんじゃん‼︎久しぶり。」
ニコッと爽やかな笑顔を向けられ、首を傾けた。
『・・・えっと、、』
ーーー誰だっけ。
「え〜忘れちゃった(笑)?
前に俺ら合コンしたじゃん!
慶○大のりょーすけだよ。
ちゃんスタイル良いし、髪色特徴的だから後ろから見てすぐに分かったよ。」
・・・合コン。
あー…確かに、数ヶ月前に慶○大学の学生とコンパしたっけ。
この人の事はよく覚えてないけど、その中の1人と意気投合して2人で抜け出したんだった。
その後も数回会ったけど、他にも遊んでる女がいてソイツとはすぐに別れた。
だから正直あんまり良いイメージはない。
ニコニコと笑顔を向けてくる彼に、私は引き攣った顔で曖昧に『あぁ〜』と頷き誤魔化した。
「つーか制服じゃん、可愛いね。
学校帰り⁇」
『え?あ、うん。・・もう帰るとこだから。』
じゃあ、と軽く会釈をして立ち去ろうとすると、
「ねぇ、せっかくだし少しだけ話そうよ。
ちゃん制服だから今日は酒抜きでさ、お茶でも飯でもお兄さん達が奢るよ?」
・・・・奢り?
魅力的な言葉にピクリと眉が動く。
そんな反応を見てか、りょーすけと名乗った男がクスッと笑いを零した。
「フッ、じゃあ決まりだね!何か美味しいもん食べ行こうか?
何がいい?好きなの言ってよ?」
サラッとした黒髪を掻き上げながら流し目で見つめられ、思わず誘惑に負けそうになってしまう。
・・・・いやいや、負けるも何も、別にご飯食べるぐらいならいいじゃん。
街で偶然知り合いと会ってご飯を食べる。
たったそれだけの事。
お酒が入るワケじゃないし、何もやましい関係じゃない。
ーーーそれより何より、タダ飯が食べれる‼︎
『・・・えっと、じゃあ焼肉、食べたいかな…。』
「ハハッ、いーね!焼肉。それなら俺、良い店知ってるからソコに行こうか?」
心の中で、よっしゃー‼︎とガッツポーズを決める。
五条の電話、切って正解だったな…と思いながら2人の後を軽い足取りでついて行った。