第1章 ムカつくアイツ。
『ーーーえ?』
パチパチと目を瞬かせると、五条はガシガシと頭を掻きながら面倒臭そうにため息を吐いた。
「毎日夜遊びばっかしてるとまた遅刻すんじゃねーの?
お前はもう後がねーんだから少しは自粛しろっ。」
そう吐き捨てると寮の方へと1人先に進んで行く。
ーーーもしかして、心配してくれた…?
五条のわかりづらい優しさに口元が緩む。
そして気怠そうに歩く後ろ姿にそっと近づき、
『とりゃっ!』
「イ"ッッ、、、、」
五条の尻に蹴りを入れた。
『やっぱりさっきの賭け、のる事にした‼︎
私、たった今から男断ちしまーーす‼︎』
ぐっと拳を突き上げると、ズレたサングラス越しに五条の恨めしそうな目が覗いていた。
なんだかそんな表情も可笑しくてケラケラと声に出して笑ってしまう。
「・・・・お前はまず足癖の悪さを治せよ。」