第8章 星漿体①
謎の啖呵から数分後。
私は今、女子中学生になりすまし、理子ちゃんと同じ教室の1番後ろの端っこにちょこんと座っている。
ーーーーあぁ、視線が痛い。
うまく解け込めてると思うんだけどなぁ…。
仕方なくおさげのヅラも被ってるし、すっぴんにもなった。
どっからどう見ても真面目な女子中学生のはず。
「え、誰あの子?あんな暗そうな子いたっけ?」
「何かずっと引きこもってたんだって!
理子ちゃんと家が近いらしくて今日無理矢理連れて来たって言ってたよ?」
「あ〜病んでそうな顔してるもんねー?」
「確かに〜!てゆーか留年してたのかな?
ちょっと老けてない?」
なっ、、何ーーーーッ⁈⁈
聞き捨てならない言葉に思わず勢いよく顔を上げると、近くにいた理子ちゃんがコホッと咳払いをした。
ジトッとした目で私を見ると黙って首を横に振っている。
『ーーーーーふんっ。』
私は机に頬杖を突き、そっぽを向いた。
老けてんじゃなくてこっちはあんた達より3つも歳上だっつーのっ‼︎
どいつもこいつも好き勝手言いやがって〜〜〜〜‼︎
カタカタと指で机を叩きながらクラス内をそれとなく見回してみる。
怪しい人物もいないし、不穏な気配も感じられない。
そして何より、理子ちゃんが楽しそうに友達と笑っている事に安堵した。
なんだ、普通の中学生じゃん…。
周りの子達と何ら変わりない、普通の女の子。
けれど、こんなごく当たり前の日常が、もうすぐ終わりを迎えるんだーーーーーー。