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呪術廻戦 〜アナザーストーリー〜

第8章 星漿体①



それから傑達と合流すべく私と五条はホテルへと足を向けた。


・・・けど、初っ端から足を引っ張ってしまい、私の足取りは重い。



『ーーーなんか、護衛の任務なのに私が守ってもらうようじゃダメだよね。次はちゃんとするから。』


絨毯が敷かれ高級感漂う廊下を歩きながら前を歩く五条の背に話しかける。


「・・・場を和ませてりゃ良いって傑も言ってたし?
護衛は俺と傑の任務なんだから、お前は命張んじゃねーぞ。」


前を向いたまま五条が呟いた。


『・・・人をお笑い担当みたいに言って。』


ムスッと口を尖らせていると、いきなり五条がクルッと振り向いた。


「そーだ。それとお前は術式は使うなよ?」

『えっ、、な、なんで、、⁈』
 

いきなり振り向くからついどもってしまった。


「この3日間、いつ、誰が狙ってくるか分からないんだ。
途中で血が足りなくなったらその時点でアウト。
だから万が一、俺らが側にいなくて危険が迫った時以外は使うなよ?」


真剣な声のトーンに思わず頷きそうになるけど、それじゃあ私にどう戦えというのか。


『・・確かに血が足りなくなったらアウトだけどさ、私に肉弾戦で応戦しろって?』


拳を握ってみせると、五条は鼻を鳴らした。

「んな弱っちぃ拳、役に立つかよ。
俺と傑がいりゃ最強なんだからお前は大人しく見てりゃ良いっつってんの。」


五条は私のおでこをピンッと指で弾くと、スタスタと前を歩いて行ってしまった。



ーーーー何よ、、、。

おでこを抑えながらその背中を見つめる。

不器用で分かりづらい優しさがまた私の胸を締め付ける。



普段は口悪いし、デリカシーのカケラもない癖に、私がピンチの時は必ず手を差し出してくれるのはいつも五条だった。



何よ、、、、何なのよ。




「ーーーーおい、置いてくぞ?」



トクン、トクンと心臓が音を立てる。


ーーーーーーこの気持ち。



『・・・今、行く…』



今まで抱いた事がないような想いに戸惑いながら足を進めた。



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