第1章 ムカつくアイツ。
『終わった〜〜〜!』
ようやくトイレ掃除が終わり、ふぅと息をつく。
残るは教室かぁ…。
重い足取りでトボトボと廊下を歩き教室の前に着くと、
信じられない光景に目を見開いた。
五条が、、、
あの天上天下唯我独尊、俺様男が、、、
箒を手に床を掃いている、、、、‼︎⁇
とっくに帰ったと思ってた。
全く掃除なんてする気のない五条を説得するだけ時間と体力の無駄だと思って諦めたのに。
ドアの手前で唖然と立ち尽くしていると、気配に気付いた五条が振り向いた。
「・・・・何だよ、そんなとこ突っ立って。」
『えっ?あ、、いや、、五条はてっきり帰ったとばかり思ってたから。』
そう言うと、五条はムッとした様子で視線を外した。
「・・さっさと終わらせて帰るんだろ?
あとこんだけ掃いたら終わるから。」
ぶっきらぼうに呟くと、塵取りでゴミを回収していくが、そのあまりに雑な掃き方で埃が辺りに散らばってしまう。
『・・・・なんか、、あんたって死ぬほど箒と塵取りが似合わないね。』
「うっせーーなぁ、、ってオイッ、、」
私は五条の手から塵取りを奪い、その場にしゃがみ込んだ。
『ほら、持ってるから。ちゃんと掃いて。』
「・・・・。」
埃が舞う中、放課後の教室に夕陽が差し込む。